- 記憶力を高める方法に興味がある
- 小説家なら無意識にやっているかもしれない記憶術とは
- 全米記憶力チャンピオンも使っている科学的に正しい記憶術とは

結論から云うと、今回紹介するLOCIメソッドを1日30分6週間実践するだけで記憶力が2倍アップするとされています
LOCIメソッドは、メンタリストDaiGo氏の動画でも取り上げられていました。
小説家におすすめの記憶術【ネタバレ:LOCIメソッド】

小説を書くのが趣味あるいは生業だという方で、何か新しく憶えたい情報があるとき、

よしっ、自キャラに憶えさせよう!
と思う人いませんか?
補足すると、情報を整理するとき「妖怪学の担当はあなた! で、心理学の担当はあなたで、芸術の担当はキミね!」みたいな感じで記憶の役割を分担していく手法です。
LOCIメソッドの根底にある考え方
人間の記憶は場所に結びついているものほど強く定着します。
たとえば「昨日晩御飯何食べた?」って訊かれると「──うん?」ってなりますけど、「昨日どこで晩御飯食べた?」と訊かれたら「ああ、そういえば」ってなりません?
「晩御飯」という単一の情報だけを思い出そうとすると戸惑うけど、そこに「どこで」という情報が追加されるだけで比較的思い出しやすくなる。
この性質を利用して、自分にとって馴染みのある場所に次々と覚えたいものを置いていく。
それがLOCIメソッドです。
だったら、小説を書くのが趣味もしくは生業の人っていっそ自キャラを「場所」として代用したらいいんじゃない?
自キャラ「すでに頭の中にある情報」としてうってつけじゃない? などと思ってみたり。

余談ですが、2016年コーネル大学の研究によると自分の体験をSNSに投稿した人ほどその体験(=エピソード記憶)を明確に記憶できるとのこと。
当時の感情等を思い出しながら投稿するから、そのぶん記憶に残りやすいわけですね
【科学的に正しい記憶術】LOCIメソッドとは?

「記憶の宮殿」や「場所法」といった別名でご存じの方も多いかもしれませんね。
要は、自宅や通学路・通勤路、自分の躰などまず忘れないだろう具体的な場所に、憶えたい単語や数字を配置してゆく──というイメージです。

超絶余談ですが、石田衣良先生の『ブルータワー』の終盤でこのLOCIメソッドが活躍するシーンがありましたね
【いざ練習】LOCIメソッドを実践してみよう


云うて、言葉だけじゃピンとこないよね
というわけで、実際にやってみましょう。
- まずあなたの家を想像してみましょう。
- ドアを開けて家に入ります。このとき「玄関」を「場所①」とします。
- 続いてトイレ・クローゼット・風呂場を想像してみましょう。それぞれを「トイレ=場所②」「クローゼット=場所③」「風呂場=場所④」とします。
- あとはその順番通りに巡っていくことだけを憶えてください。
ここまでできたら準備は万端です。
場所①~④に憶えたいものを配置していきましょう。
LOCIメソッドのコツ【イメージを極端にする】
LOCIメソッドのコツは、イメージを極端にすることです。
たとえば、あなたが「みかん」を憶えたい場合、それを場所①に配置するなら極端にサイズを大きくするとか、あるいは小さくするとか、天井に届くほど山積みにするとか、とにかく印象に残る形にしましょう。

要はツッコミどころ満載のイメージにしましょうってことですね。
玄関開けたらみかんの雪崩に巻き込まれた~とか、そういう感じです
用意する場所=スポットを増やして、どの順番にモノを配置していくか。
どの順番を辿ってモノを思い出していくか──ということだけをあらかじめ準備しておきましょう。
あとは、憶えたいモノをツッコミを入れながらセッティングしていけばOKです。
LOCIメソッドは記憶術兼脳トレーニング
冒頭でも触れましたが、このLOCIメソッドを1日30分6週間脳トレとして実践したことで記憶力が2倍上がったという報告もあります。
またこのトレーニングによって脳のデフォルトモードネットワークも強化されるとのこと。
人がぼんやりしているときに活性化する脳全体の機能。
創造性と深い結びつきがあるとされています。
うつ症の方はこのデフォルトモードネットワークが活性化しづらいことがわかっておりますので。
ぼんやりできているようでできていない、抱えている問題に対する解決策を思いつきづらい状態にあるわけです。

なのでこのLOCIメソッド、うつ病の方がトレーニングとして取り組んでも良い効果があるのではないかと考察されております
LOCIメソッドでわかる小説家としての苦手分野

ただ、この自キャラに情報を配置するというこの記憶術。
いざ実践してみると、自分の苦手分野が浮き彫りになるのですよね。
一方で、「この分野と云えばこのキャラクター!」という役割分担を行うことで、小説としてみたとき、”出木杉くん”を作らないという意味で使えるのではないかと。
それがリアリティあるかと云われたら何ともなのですが。
物語によっては”出木杉くん”がいることで盛り上がる作品もあるわけですしねぇ。
私はこれ記憶術として悪くないよなーと思って実践しているのだけれど、考えてみるとバットマン効果に近いものもあるのかも。
お気に入りのゲームやアニメのキャラクターになりきることで、セルフコントロール能力を上げるテクニック。
私のキャラはこの手の分野に精通しているのだから、この情報を憶えられないはずがない、この問題を解けないはずがない──みたいなね。
自分を詩人だと思い込むだけでアイデアマンになれるというクリエイティブステレオタイプ効果なるものもあるので、なりきりはあながちバカにできません。

だからもし小説書くのを止めてしまっても、脳内の自キャラは無碍にしない方が良さそう
というわけで、6週間のトレーニングで記憶力アップからアイデアまでひらめきやすくなるLOCIメソッド、ご興味のある方はお試しあれ。
ではまた~。
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