【バズる文体】三島由紀夫『鹿鳴館』に学ぶ「対照的造語モデル」とは?

エッセイ
この記事はこんな方におすすめ
  • 「最後まで読みたい」と思ってもらえる文章を書きたい。
  • 「この人いいな」と思ってもらえる文章を書きたい。
  • 「みんなに広めたい!」と思ってもらえる文章を書きたい。

とどのつまり「文章でバズりてぇ」と思っているあなたにおすすめです

どうも、こんにちは。キノタダシ(@GtH4uTlfJ5mFvlL)です。

今回の参考文献はこちら。

文芸オタクの私が教えるバズる文章教室』です。

著者は作家、書評家である三宅香帆さん(@m3_myk)。

批評・エッセイ・コラム等の執筆業、文章の書き方や小説の読み方を伝える講師業を中心に活躍しておられます。より詳細なプロフィールを知りたい欲しがりさんは、三宅さんのnoteへどうぞ😌

本書の内容を端的にお伝えしますと「バズる文章の書き方」を教えてくれる本です。

著名な作家をはじめ、アイドルやインフルエンサーの文章から、三宅さんが独自の目線で見つけた「読んでいて楽しい文章の法則」についてまとめられています

と云うと、

文章のノウハウを教えてくれる本なのかな? 

と思われるやもしれませんが、あいにくと本書はビジネスライクなスキル特化のそれではなく──。

どうしたら読み手に楽しんでもらえるか──文芸的な目線に重きを置いた本となっております

今回は、本書にていくつも紹介されているバズる文章の型から「対照的造語モデル」をピックアップ。

記事を読んで、他の型も気になると興味をもった方は、ぜひ本書を手に取ってみてくださいませ。

では、参ります~。

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三島由紀夫『鹿鳴館』に学ぶ「対照的造語モデル」とは?

さて、唐突ですがあなたにとって読みやすい文章とは正義でしょうか?

何やらソクラテスの問答めいてまいりましたが──ことビジネスライクな文章作法本によれば文章は読みやすければ読みやすいほどイイ! というのが定説なわけです。

しかし、文芸的な目線に重きを置くと──これがそうとも云い難い。

読みやすさばかりにかまけていると、印象の薄い無味乾燥な文章になってしまいかねません。

人の心に残すためには、ある程度の「でこぼこ」が必要──と筆者は云います。

とはいえ、「いや、何を伝えたいのかわかんねぇよ!」みたいな文章はナンセンス。

「でこぼこ」にもセンスは必要です。

では、センスのいい「でこぼこ」とは何なのか?

早速、三島由紀夫の『鹿鳴館』を読んでみましょう。

もう愛情とか人間とか仰いますな。そんな言葉は不潔です。あなたのお口から出るとけがらわしい。あなたは人間の感情からすっかり離れていらっしゃるときだけ、のように清潔なんです。そこへそのぺたぺたしたお手で、愛情だの人間らしい感情だのを持ち込んで下さいますな。本当にあなたらしくない。もう一度あなたらしくおなりになって、政治以外の心の問題なんぞにとらわれるのはよしに遊ばせ。

三島由紀夫『鹿鳴館』より

「氷のように清潔」という一風変わった表現を用いることで、「清潔」という言葉が印象深い存在になっています

もし、この文章から「氷のように」を削除したらどうなるでしょう?

せっかく「人間の感情から離れているときだけが清潔」なんて象徴的なことを云っているのに、さらっと流してしまいそうですよね。

台詞が随分薄味な印象になります。

「氷のように清潔」という言葉が違和を与え、良い意味で読者の”足”を止めているのです。

それってどんな清潔さなの? と考えながら続きを読み進める運びとなるのです

プラスとマイナスの組み合わせが”でこぼこ”を生む

さて、何故に私たちはここから「でこぼこ」したイメージを受けるのでしょうか?

それは恐らく「氷のような感情」というマイナスのイメージを持つ表現と「清潔」というプラスのイメージを持つ表現が組み合わさっているからでしょう。

もう愛情とか人間とか仰いますな。そんな言葉は不潔です。

この一文にも「愛情(プラス)」➡「不潔(マイナス)」という”でこぼこ”が隠れています。

プラスとマイナスの言葉を掛け合わせると、印象が”でこぼこ”になって読み手の印象に残りやすいのです

ところで、本書の中では指摘されておりませんが、この「氷のように清潔」という表現、シェイクスピアも似たようなことを云っておりました。

あなたがたとえ氷のように潔癖で雪のように潔白であろうとも、世の悪口はまぬがれまい

シェイクスピア

氷=潔癖・清潔」の組み合わせは、名だたる作家の感性からすればあるあるなのかもしれません。

【バズる文体】「対照的造語モデル」を書いてみよう

「対照的造語モデル」をお手本に例文を書くとこんな感じです。

  • 嫌われる(マイナス)喜び(プラス)。
  • 好かれる(プラス)恐怖(マイナス)。
  • 働かなくては食っていけない(マイナス)という幸福(プラス)。
  • 働かなくても食っていける(プラス)という不幸(マイナス)。

このように対照的なイメージを持つ言葉同士をくっつけることで、

うん? おかしくない?

と読み手の目を引っかけることができます。

使い過ぎると少々くどいですが、文章全体を引き締めるスパイスとしてオススメです。

三島由紀夫をはじめ、名だたる文豪の書き出しが気になる! という人はこちらもおすすめ 😌

まとめ:プラスとマイナスを合体させると新しい価値が生まれる

「対照的造語モデル」の書き方について、まとめるとこんな感じです。

1.主張したいことは何か

余計な感情を挟まないときだけが、あなたらしい。

2.それぞれプラスとマイナスのイメージを持つ言葉に変換する

  • 余計な感情を挟まない=氷のような感情
  • あなたらしい=清い。潔い。清潔。

3.ふたつの言葉を合体させる

氷のように清潔だ。

一見相容れないプラスとマイナスが組み合わさることで、新しい価値が生まれる──というわけですね。

今回取り上げた本『バズる文章教室』について、まだまだ紹介し切れていない部分がたくさんあります。おすすめの本なので、ぜひ読んでみてください。

今回はそんな感じ! ではまた~。

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kino tadashi

心理学と科学と妖怪学をこよなく愛する物書きの端くれ。
曲がりなりにもwebライティングで収入を得ているので、端くれの自称くらいは許されるだろうという認識でいる。
webライター、ブログ等で生計を立てるべく日々模索中。
WEBライター検定3級・校正技能検定初級取得済。
一応カクヨムgoodレビュワーらしい。
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