なろう系が人気を集めるのはなぜ?【なろう系が持つ最大の武器とは】

エッセイ
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なろう系人気の理由は「ひどい」という酷評にあり?

幽焼けさんというVtuberのクソラノベレビューを偶に観ちゃうんですよ。

【重要なお知らせ】クソラノベレビューを更新停止として、新方針での活動へと切り替えます!!

今回はラノベレビュー動画の代表として幽焼けさんのお名前を挙げていますが、いまやYoutubeにはこの手の動画がごまんとあります。

幽焼けさんのワードセンスが面白いから観ているのもあるんですけど、一歩引いて考えてみるとコレ不思議だよなぁ──と思っていて(人はネガティブなワードに引き寄せられやすいという性質も関わっているのやもしれませんが)。

そもそも、自分の読んだことない小説が、それもクソだという前提でレビューされている動画を観たいって気持ちになります? ならないと思うのですよ。フツーは。

あくまで主観なのですが、なろう系という肩書きが付いてるだけで

あっ、叩いてイイんすね。あざますっ!!

みたいな空気出来上がっちゃってる感ありません?

この空気こそなろう系人気の一つの要因なんじゃないかなぁ──と思っていて。

幽焼氏によるクソラノベレビューの今

残念ながら、クソラノベレビューの大半は権利者の申告により削除されてしまいました(削除自体は幽焼氏本人が自主的に行ったものとのこと)

クソラノベレビューの継続が困難であることから、現在クソラノベレビューは無期限の更新停止となっています。

幽焼けさんの「クソラノベ召喚!」が聞けなくなっちゃったのはちょっと残念だよね

幽焼けさんご本人がこれを「方針転換の良いきっかけ」として捉えていらっしゃるようですし、今後のご活動も陰ながら応援してゆく所存です

一般文芸にはない、なろう系人気獲得の”武器”

たとえば一般文芸が酷評されているのを見ると「あくまでこの人の個人的解釈だろうな」って冷静な見方を保てるんですけど、なろう系の酷評って「大勢がこう思ってるんだろうな」ってあっさり受け入れちゃうところありません? 

より突き詰めれば、頭の片隅で「私はこの作品読んだことないけど」って思いつつも「まあなろう系だしええやろ」で片付けてるところないです?

「ひどい」だけで盛り上がれるなろう系

作者さんは、流石にちょっと可哀想だなって思うんですよ。

思うんだけど、本来なら作品って面白い面白くないの二択で議論されがちなところを「読んでいてもいなくてもなんとなく盛り上がれてしまう空気感」を作れたのはなろう系だからこそ成せた業というか、モノを売る手法として強いなぁ──と私は思っていまして。

実際、先に触れたクソラノベレビューやまとめサイトのコメント欄なんか見ても、この中に”実物”読んでるヤツ何人いるんだよって話じゃないですか。でも、つい集まりたくなっちゃうんですよ。

えっ? この祭りに参加したい? じゃあ、この作品を読みなよ!

という第一のハードルがそもそもないので。

読んでいなくてもなろう系の雰囲気さえ聞きかじっていれば参加できますし、何なら読んでないのに叩いていいよ──という許しすら与えられている感あります。

実際、スマホ太郎や黙れドン太郎って原作のタイトルすら知らないのに知ってたりする

自作をクソ呼ばわりされる作者側の気持ちというモラル的側面に目を瞑れば、作品に対する「批判」の利用も商法としてなくはないわけで

なろう系は「ひどい」という風潮

なろう系について各々云いたいことはあると思うんですよ。

出版社がすでにwebで人気を博している作品しか選ばない、一から作家を発掘するという手間を取ろうとしないとか、書籍化していい文章力じゃないとか、色々不満はあると思うんですよ(文章力云々うんぬんについてはそもそも作者の目的と出版社の目的は違うんだから、そこ責めるのナンセンス極まりないという気もするのだけれど)。

けど、私なんかは”実物”を読んでいない層までPR要員として獲得できたこの売り方は素直にすげーなと感心していて、なんならここから学べることって何かないかなーくらいに考えているのですが。

PRって云ってもどうせ悪評でしょって思う方はね、ぜひこのおすすめ作品集のキャッチコピーを思い返していただきたく。

知られていないと云うことは、存在しないことと同じ。

悪評でもないよりは遥かにマシ。

じゃあこの「なんとなくディスってもいいよ」っていう空気感を構成しているものって何なんだろうというのを考えたとき、少なからず嫌儲けんちょバイアスが関わっているのではないかと考察してみたり。

なろう系が叩かれる心理的要因? 嫌儲バイアスとは

まずは嫌儲けんちょバイアスのお話。

コーヒーショップでコーヒーを飲むとき、「これは”非営利目的”の企業が作った豆から抽出したコーヒーです」と云われた場合と「これは”営利目的”の企業が作った豆から抽出したコーヒーです」と云われた場合で、飲んだ人の感想がどう変わるのかっていう実験があるんですよ。

コーヒーの中身は全く同じで、営利か非営利かってところだけが違うのですが(実際の実験では飲む前に企業の解説文を渡しています。営利or非営利の箇所が異なるだけで、それ以外の説明文は全く同じ内容です)。

実験の結果、営利目的ですって説明されたコーヒーに対してネガティブな感想を抱く人が多かったようです。

人はお金を稼ぐことにネガティブな印象を持つようにできている

これを嫌儲バイアスと云って、人間はその企業がどんな活動をしていようが、実際に儲けているとかいないとか関係なしに「儲けてそう」という雰囲気を感じ取った瞬間、反感を覚える生き物なのです。

ちなみにこの嫌儲バイアス、「貧乏人のやっかみでしょ?」などと誤解されがちなのですが、実際には経済的格差や政治的な立場関係なく起こり得るものだそうで。日本人は殊更この傾向が強いんじゃね? と云われております。

嫌儲バイアスについてはメンタリストDaiGoさんの動画でも取り上げられていましたね

稼げる人、稼げない人の一番の違いとは【マネースクリプト理論】

なろう系は「ひどい」というPR活動

さて、このバイアスがなろう系の「なんとなくディスってもいいよ」という空気感にどう関わってくるのかなんですが──。

なろう系の批判でこういうのよく見ません? 

なろう系は目先の売り上げに固執した出版社のゴリ推しだーとか、そんなものに囚われているラノベ業界に未来はない──とかなんとか。

──うん、叩きやすい空気感の正体ってまさにコレなのではないかと。

なろう系は読者以外もPR要員になり得る

なろう系ってさ、もはやネタにして叩く側からしたら作品として捉えられていない、読むモノとしてすら認識されていないんですよ。

出版社がただただ営利のみを追求して推してるコンテンツなんだから読むまでもないでしょ? 叩かれて当然でしょ? という位置づけなんですよね。

これが「作品を読んだことのないPR要員」という斬新な層を生んでしまったのではないかと。

なろう系を批判するということは、一個人の創作を批判するというより出版業界のやり方を批判するって方向に繋がってくるから、その分罪悪感も湧きづらいと思うんだよね。

叩いた側が正義になれる。だから、なろう系は読者以外も軽いノリでPR要員になれてしまう。

叩くことが”許された”なろう系の強み

謎のワクワク感を表現しています。

一見この叩きやすい空気感ってコンテンツとしてデメリットなんじゃないかって受け取られがちなんだけど、私は存在を知ってもらうって意味ではそうとも云えないよーと思っていまして。

なんならこの空気感になろう系が守られている現状もラノベ業界が意図して保ってるんじゃないか、なんなら仕掛けたんじゃないかとさえ考えているわけでして。

なろう系、コンテンツとして盤石過ぎる

なろう系ってさ、ホントにコンテンツを支える土台が多様なのよ。

たとえば──ラノベレビューVtuberの幽焼けさん。

私もそのレビューを楽しんで観ている一人なのだけれど、アレ何が楽しいって、言葉は悪いのだけれど「次はどんなクソラノベに出会えるんだろう」「これを超えるクソラノベが現れるんだろうか」っていう謎のワクワク感があるんだよね。

つまりね、作品として面白いとか面白くないとか、もはやそういう次元じゃないんだ。ただただ誹謗中傷してやろうぜというのともまた違うんだ。私も含む一部の層から、すでに新しい楽しみ方を見出されちゃってるんだ。

「面白くないのが一周回って面白くね?」っていう斬新なファン層まで生んじゃってるんだよ。

「なろう系はなぜ〇〇なのか」というPR活動

加えて土台と云えばもう一つ、これまでとはちょっと違うぞ、なんなら一部から反感を買いそうだぞ、みたいなコンテンツが流行りだしたとき必ず現れるのが──そう、今の私みたいなヤツです。

なぜ○○は○○なのか系の批評ですよ。

なぜなろう系は売れるのか? なぜ人気なのか? なぜヘイトを買いがちなのか? そういう批評に目を通したことがあるって人、小説投稿サイトで活動しているんなら少なからずいるとは思います。

こういう批評とて「なろう系って何?」って興味を世に広める上では一役買ってるわけだからね(あくまで主観ですが、PR要員としてある意味一番貢献してるのってこの層な気がする。議論が生まれやすい場所に人って集まりやすいので。事実Twitterでバズる方法のひとつとして「議論が起こりやすいツイートをする」というのがあったりする。堀江貴文さんがよくやってるイメージ)。

そう考えると、このコンテンツ土台が強過ぎない? 縁の下の力持ちっていうけど縁の下に人多過ぎない?

なろう系人気が落ち着くとき

だから──このブームが落ち着くときって、これを心から楽しいと思って読んでる層がぱったりいなくなるとか、出版業界がある日突然方針を改めるとか、そういうときではなく。

図らずも(かどうかは何とも云えんけど)土台になっていた人たちが「もう飽きた」「ネタ切れだわ」「あっちのコンテンツの方が扱いやすそうじゃね?」とか、何かしら理由をつけて離れるときなんじゃないの──と私は思っています。

この辺りの流れはなんと云うか、やや同人ゴロを彷彿とさせるところがありますよね。

同人ゴロって何ぞ? という方は各自ググってどうぞ

なろう系人気は必ずしもマイナスではない

ちなみに私自身は現状のなろう系ブームに関して、衰退を望む声もわからなくはないけど──エゴを切り離して考えたら別に流行っててよくない? というのが正直な感想でして。

私にとって文章を書くことは基本勉強であり、メンタル強化であり、小銭を稼ぐ手段に過ぎないので。

上手い下手を問わず物を書く人口が増えるってことは世の中にとって間違いなくプラスだと思うし、なろう系を好きだって云う人の中には多分だけど「これなら自分でも書けそう!」と判断して書き始める人もいると思うんですよ。

そういう視野で見ると、衰退を望むほどではなくね? とか考えてしまうわけです。

変わるべきは出版業界”だけ”なのか?

あと、なろう系を語る批評にありがちな論調で、やたら出版業界に変化を求める人いるけどさ。うん、気持ちはわかるんですよ? 外に変化を求めるのってこうね、情報として耳ざわりが優しいから。書く側から見ればなおのこと。

だから──わかるんだけど、本当に変わるのは出版業界だけでいいのと私は思います。

これは作家が業界の売りたいモノに合わせろとか、そういうことを云いたいんじゃなくて、作家側がもっと自分の作品の売り方を工夫すべき時代がやってきてるんじゃないのってこと。

SNSって何のためにあるの? 電子書籍の無料セルフ出版サービスって何のためにあるの? えっ、表紙を描いてくれる絵師がいない? クラウドソーシングサイトって何のためにあるの? クラウドファンディングって何のためにあるの? 多分──そういうことなのではないかなぁと。

とまあ別段出版業界の未来に関心もないくせに、なろう系について長々と語ったわけですが──いかがでしたか(いかがでしたか系クソブログ止めろ)? 読んで面白いと思ったらフォロー、高評価をお願いいたします(云ってみたかっただけ)。

チャオ!

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kino tadashi

心理学と科学と妖怪学をこよなく愛する物書きの端くれ。
曲がりなりにもwebライティングで収入を得ているので、端くれの自称くらいは許されるだろうという認識でいる。
webライター、ブログ等で生計を立てるべく日々模索中。
WEBライター検定3級・ビジネス事務検定・校正技能検定初級取得済。

ムラサキゴテン

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