- イラスト×小説コラボ型投稿サイト「たいあっぷ」について知りたい
- 「たいあっぷ」は従来の小説投稿サイトと比べてどう違うのか?
- たいあっぷの評判・所感が気になる
- 今後「たいあっぷ」で活動してゆく中で求められるであろう2つのスキルとは?
どうもこんにちは、キノタダシ(@GtH4uTlfJ5mFvlL)です。
2021年2月新たな小説投稿サイト「たいあっぷ」がオープンしました。
SEOかじっていらっしゃる方の中には「いや、名前よ」と引っ掛かった方もいるやもしれませんが、ググるとちゃんとトップに出てきますのでご安心を。
あとポジショントークっぽいですが、改めて「カクヨム」というサイト名秀逸だなぁと。
「小説」とか「ノベル」とか直球の文言がついていないにもかかわらず、何かしら執筆に関するサイトなんやろうなぁ──と伝わりますものね。
【次世代小説投稿サイト】「たいあっぷ」とは?
たいあっぷが既存の小説投稿サイトと異なる点──それは作品を一人で創らないことです。
たいあっぷでは「イラスト×小説コラボ型投稿サイト」とあるように、小説とイラストの両方を投稿することができます。
作家側は「この人の描くイラスト素敵だなぁ。自分の書く作品の世界観にピッタリだなぁ」と思ったら、絵師さんに声をかけてみる。
もちろん、絵師側が「この人の書く物語を絵に起こしてみたいなぁ」と思って作家に声をかけるパターンも然り。
作家とイラストレーターが互いにマッチするパートナーを見つけ、ああでもないこうでもないと試行錯誤しながら、一つの作品を創っていく。

云うなれば、クリエイターマッチングアプリです。
今っぽいですね
たいあっぷ賞金総額300万円のオープニングコンテスト開催中
現在、たいあっぷは賞金総額300万円規模のオープニングコンテストを開催中。応募締め切りは6月24日(木)までとなっております。
一方で、現在リリースされているのはクリエイター向けページのみ。
閲覧者向けのページは、4月下旬に公開されるとのことです。
その後、閲覧者向けページが公開され次第、読者さんの投票等によって受賞作が決まる──という流れのようです。
読者が作品を評価する段階からイラストがついていると考えると、クリエイター側の目線に立ったとき、これまでとはまた違った”駆け引き”が求められそうですね(笑)
後進の小説投稿サイトは既存のそれと異なる”ウリ”を有するものですが、マッチングに主体を置いたサイトは初めてなので。
なろうが幅を利かせている現在、人気が出るかどうかはさておき、テーマの独自性から今後の動向を見守っていきたいサイトではあります。
一人では創作のモチベを維持しづらいという方は、登録してみるのもアリかもしれません。
たいあっぷ【公式】(@tieupnovel)によると予想以上にマッチングが成功しているとのこと。
たいあっぷ公式サイトを覗いてみた感想
以下、たいあっぷ公式サイトを覗いてみた所感をつらつらと。

公式サイトを見ると「最近たいあっぷした作品」という一覧がありますが、こちらはあくまでサンプル。
なので、今後本サイトで活動するクリエイターはこれらを参考に創ってくださいね~ということらしいです。
ビュワーは縦読み。横書きに変更できるかどうかは現状わかりませんが、
といった内容を公式がツイートしているので。変更できない可能性が高そうです。
たいあっぷの縦書きについて ※2021年11月16日追記
率直な意見を申し上げると、縦書きやめた方がいいんじゃないかなと思いました。
スマホでの操作感はKindleに似ているため、そこまで不都合を感じなかったのですが、PCで読む場合もスマホと全く同じ操作を求めてくるのは流石にどうかなぁと。
つまり、横スクロールできないんですよね。続きを読みたかったら画面端をひたすらポチるしかない。
縦書きがデフォルトというわけではなく、そもそも縦書き縛りなので。
縦組み・横組みの選択権が与えられていないこと自体、読み手にとってストレスではないかと感じました(あと、画面右隅の歯車マーククリックで謎に背景変えられる仕様にちょっと笑いました)。
とはいえ、たいあっぷの運営会社であるトレンダーズ株式会社とて何も思いつきでこの縦書き縛りを採用したとは考えにくいので。
恐らくは

縦書きこそ至高!
という声が多くあったのかなぁと予想。
この辺りは、個人的にノベルゼロの廃刊とサラダマックの失敗を彷彿とさせる話だと思いました。
皆が皆、本心を語っているとは限らない。
たいあっぷのキャラリストについて ※2021年11月16日追記
個人的に面白いなぁと思ったのが、「小説を探す」限定の「キャラクターで検索」機能。

役割・性別・年齢・身長・髪の色──そういった情報を入力して検索すれば、その特徴を持ったキャラが活躍する作品に出会えるという仕様です。
もっとも、それら情報は作家側がキャラ設定をする「キャラリスト」に入力しなければなりませんが(多分好きな人は好きだと思います)。
公式はマッチングの確率を上げるうえで「キャラリスト」と世界観を共有するための「共有メモ」、両方の作成を推奨しています。
で、個人的には「面白いなぁ~」くらいの認識だったのですが、一色孝太郎先生(@kotaro_isshiki)の「たいあっぷ」さんについてを読んでハッとしたことがひとつ。
「キャラリスト」が人間のみを想定していた
確かに。
主要キャラに獣人とかいたら困りますよね。これがホントのキマリは通さないでしょうか。
ちなみに、現在はキャラリストも改良され、
- 「リストにない場合は自由に入力してください」
- 「ひとこと雰囲気(タグ)」
- 「キャラ説明」
といった欄が設けられています。
とはいえ、 一色先生曰く、
また、「キャラリスト」と「共有メモ」を使うと見なければいけないページが増加していくため、確認用の資料が分散することにもつながります。
作品の情報をイラストレーターの先生と共有する上で、確認用の資料をあっちこっちに分散させること自体効率悪くない? とそもそもの存在意義を問うご意見も。
既存のツールだからとすべてを利用しようとするのではなく、イラストレーターの方と密に交流を図った上でお互いにあったやり方を模索していこう──ということですね。

この辺りからも作家・イラストレーター双方ともにある程度”実績ある”ユーザーを想定していることがうかがえます

まったくの初心者が「ここから創作活動頑張るぞ~」と意気込んで登録する小説投稿サイトとしては避けた方が無難ってことですね~
あと驚いたのは、既に多くのイラストが投稿されている点。
作家側はイラスト検索で好みのイラストを探して、この絵いいな~と思ったらイラストレーターさんに連絡をとって、巧く行けばたいあっぷスタート──といった流れでしょうか。
より詳細を知りたいという方は、たいあっぷ公式サイトまでどうぞ。
「たいあっぷ」で活動する上で求められそうな2つのスキル
さて、個人的にはこの「たいあっぷ」──二つのスキルがものを云うサイトだと思っております。
一つは真のコミュ力。もう一つは新たな”矢”を受け切るメンタルの強さ。
真のコミュ力
真のコミュ力というのは、初対面の相手に臆さず声を掛けるとか、お笑い芸人顔負けのすべらないトークスキル──ではなく。
相手の気持ちを汲み取る能力のことです。
たとえば、あなたが作家側でパートナーであるイラストレーターの方に

こことそこ私のイメージと違うので修正お願いできますか?
と依頼をするとき、角が立たないようそれを伝えられるか──というお話。
従来は小説投稿サイトにおけるクリエイター同士のいざこざなんて、片方がスルーすれば何てことはなかったわけですが。共同制作が大前提であるこのサイトにおいて、それは通じません。
こんなツイートを公式がしているくらいですので。
魅力的な作品が書けることは勿論として、真のコミュ力が高い──良好なパートナーと良好な関係を維持する能力に長けた人が真価を発揮できるサイトと云えるのではないでしょうか。
クリエイター間のいざこざを未然に防ぎたい──というより良好なパートナーの見分け方を知りたい方向けの記事です。
新たな”矢”を受け切るメンタルの強さ
次に新たな”矢”を受け切るメンタルの強さですが──従来の小説投稿サイトにおいて、作家目がけて飛んでくるのは、せいぜい「自作が読まれなくてつらい」だとか、捉えようによってはどうとでもなる”矢”でした。
しかし、たいあっぷでは

パートナーが見つからなくてつらい
という新たな”矢”がクリエイター側に襲いかかります(擬似NTR展開が発生しそう)。
イラストレーター側にしろ作家側にしろ、誰にも選ばれない層というのが必ず出てくるよなぁ──と。
実際、私がイラストレーターで商業デビューを真面目に考えているなら、倍率の高い小説にのみ声をかけるでしょうし。
そんなわけで商業デビューを成功とした場合、お互いに良識あるペアしか成功はしなさそう。
云うて、まともな人だけがスポットライトの下に立てるという意味では、正しいあり方なのかもしれませんが(笑)
クリエイター同士のトラブルを懸念する意見がちらほらありますが、共同制作過程において多少の軋轢は避けられませんし、そもそも出版を決意した時点で共同制作から逃れることって不可能なので。
これまでのサイトでは軽視されてきたスキルが求められると同時に、物を読み書きする以外の総合的な人間力を鍛える場として図らずも機能するのではないかなぁ──と思うております。

もしや小説投稿サイト界のUNCOMMONさんですか????
ただ、あくまで私の肌感覚なのですが、小説を書いている人間って私も含めてそのまともな人が少なそうなんですがそれは。げふんげふん。
今回はそんな感じ! ではまた~。