- なぜいま文章力を鍛える必要があるのか
- 文章力を高めることで得られるメリットについて知りたい
どうもこんにちは、キノタダシ(@GtH4uTlfJ5mFvlL)です。
わかりやすい文章を書くコツや読みやすい文章を書くコツなど、やたら文章術に注力している当ブログですが──。
思えば、なぜ文章力を高めることをおすすめしているのかについては言及したことがなかったなという事実に気づき、改めて取り上げてみる次第。
今回の参考文献はこちら。
金川顕教氏著『人もお金も動かす 超スゴイ! 文章術』です。
今回の記事を読めば、なぜいま文章術を学ぶべきなのかがわかります。
メリット1:文章術はセルフ・ブランディングに必要不可欠

ソーシャルメディア全盛期の今、誰もがローコストで自分のメディアを持つことができるようになりました。
その結果、市井の人でも実力と努力と運次第でビッグになれるチャンスが到来したのです。
とはいえ、「機械の平等」は実現しても「結果の平等」が実現したわけではありません。
ソーシャルメディアがもたらしたのは「選択過多」と「競争激化」という状況です。
何かしらキラリと光るものや流行モノに迎合する柔軟性がなければ、見向きもされません。
そこで重要になるのが「セルフ・ブランディング」という考え方です。
「パーソナル・ブランディング」とも言います。

「ブランディング」とは「信用を上げる行為」を指します。
ブランドとは、そもそも信用が積み上がった結果のことです
大多数の人にとってセルフ・ブランディングをするときの情報発信手段は文章です。
画像・音声・動画など、いかなる手段を組み合わせるにせよ文章がやはり基本です。
パーソナル・ブランディングのコンサルタントであるピーター・モントヤ氏は、著書『パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す』の中で、パーソナル・ブランディングを次のように定義しています。
あなたのパーソナルブランドは強力、明晰かつ前向きな人物像であり、人々があなたのことを考えるために心に浮かぶものである。これは人々があなたのことを関連づけるあなたの価値、能力、行動を象徴するものである。これはあなたの印象に影響を与え、その印象を機会に変えるために作られたプロフェッショナルとしての別の自己にあたる。
要するに、セルフ・ブランディングの目的とは、周囲の人があなたの名前を耳にしたとき真っ先に浮かぶイメージを戦略的にコントロールして、ビジネスに役立てることです。
ここで大切なのは「戦略的にコントロールする」という点です。
「信用を積み上げたいなら、ありのままを見せたほうがいい」という意見もおありでしょうが、悲しいかなそれが有効なのは、その「ありのまま」が十分魅力的な人たちだけです。
これではキラリと光ることなんてできません。
ブランド構築(信用力の醸成)は時間を要するため、できるだけ早く着手しておくことをおすすめします。
文章術を身につけて、積極的に情報発信しよう

あんまり目立ちたくないなぁ
という人にとっても、セルフ・ブランディングが浸透しつつある社会において、無駄に自分の評価を下げないためにも文章術は重要なスキルだと思います。
社内で昇進を目指すにせよ、個人で生き残りを目指すにせよ、文章術は必須なのです。
加えてセルフ・ブランディングを意識し始めると「理想の自分」を常に意識するようになります。
起業家コンサルタントである星 渉氏は、著書『神モチベーション 「やる気」しだいで人生は思い通り』の中で、理想と現実の間にギャップがあれば、私たちの脳は意志力とは関係なく勝手にやる気を出してくれると語っています。
モチベーションコントロールの観点で見ても、ブランド構築は非常に大きな意味を持っていると言えそうです。
個人をブランド化できる社会は、冷静に考えるととてつもなく大きなチャンスです。
使えるプラットフォームは数多くあります。
自分の書いた小説を読んでほしいなら小説投稿サイトがあります。
自分の考えを世界に発信したいならブログがあります。
本を書きたいと思い立ったら出版社を介さずとも電子書籍で気軽に出版できます。
プロモーションをしたいならソーシャルメディアがあります。
このようにセルフ・ブランディングの環境は万全に整っています。
あとは行動するか、しないかだけなのです。
メリット2:文章術は一生使えるビジネススキル

仕事をしていく上で役立つ資格やスキルは世の中に数多くあります。
だからこそ、みんな頑張って習得を目指すわけです。
ただ、資格やスキルで恐ろしいのは時代の変化によってその価値が失われる可能性があることです。
例えば今トラックやバスの免許を持っていても、自動運転が本格的に普及したら真っ先に導入されるのは物流と公共交通です。
コンピューターの自動化が進めば、今ほどたくさんの会計士は不要となるでしょう。
文章術は、時間的にも労力的にもコスパが高い最強のスキル
その点、文章術はほぼどんな職種でも使いますし、その価値が廃れることはありません。
転職や独立、兼業や副業などが当たり前になりつつある時代において、文章術ほど即効性があり、応用範囲が広く、時間的にも労力的にもコスパがいいスキルはありません。
仕事をしているときに書く文章には、必ず目的があります。
「情報伝達のため」というのはもちろんとして、
- 説得したい、考え方を変えたい、交渉で勝ちたい(営業力、説得力、交渉力)
- 魅力を伝えたい、感動させたい、想いを伝えたい、ビジョンを見せたい(ストーリーテリング能力)
- 励ましたい、士気を上げたい(コーチング力)
- 理解させたい、教えたい(ティーチング力)
など、色々あります。
文章術を身につけると、これらの目的が圧倒的に達成しやすくなります。
PRESIDENT(プレジデント) によると、年収500万円台の社員のうち58.3%が「書くことが苦手」と回答した一方、年収1500万円以上の社員のうち「書くことが苦手」と回答した人は36.4%だったとのこと。
文章力と年収には正の相関があると言えそうです。ビジネス書籍のコーナーを見れば、ライティングスキルに関する本が大量に並んでいるのはつまりそういうことですね。
これからキャリアをスタートさせる若い人であれば、真っ先に身に着けるべきスキルではないでしょうか。

文章術(=ライティングスキル)は、両学長の動画でもお金を生むポータブルスキルとして紹介されていました
メリット3:文章術を身につければ、ロジカルシンキングが身につく

著者は文章と真剣に向き合ったことで実感している内的な成長として、次の3つを挙げています。
- 思考の整理、言語化能力が身につく
- ロジカルシンキングが身につく
- メタ視点、俯瞰力が身につく
要は脳が鍛えられるということです。
まず、「文章を書く」とは自分の脳内にある情報や思い、感覚、アイデアなどを整理して、形にする作業に他なりません。
当然、思いついたことをただ文字にしていくだけでは第三者に伝わりませんから、わかりやすい論理で情報を整理する必要があります。
これは脳の筋トレのようなもので、やればやるだけロジカルシンキングが身につきます。
ロジカルシンキングが身につくと交渉ごとが有利になったり、無駄が減って段取り上手になったりと、いいことづくしです。
文章力が向上すれば、客観力が身につく
私たちは誰かに読まれる前提の文章を書くとき、読み手がどう捉えるかを考えながら文章を書きます。
これは脳の筋トレというよりかは、脳のストレッチのようなものです。
相手目線を意識することが習慣になると、自然と日常生活でも物事を客観的な視点で捉えられるようになるのです。
YouTubeのレコメンド機能やTwitterのフォロー機能によって、自分が好む情報ばかり浴びがちな現代人は、殊更客観的な思考力が弱まっているとされています。
普段、周りの人から

きみは自分のことしか考えない傾向があるよね
というダメ出しを食らっている人にとっては、有効な練習方法であると言えます。
メリット4:文章術を身につければ、自由な時間が増える

言わずもがな、人が使える時間は有限です。
誰かを説得するにせよ、何かを教えるにせよ、マンツーマンで行っている限り、こなせる数に限度があります。
例えば対面営業を得意とするセールスがいるとしましょう。
いくら頑張っても1日に回れる件数は7、8件です。
しかしそのノウハウをセールスレターなどで再現して、しかるべき情報チャネルで発信できれば、セールスレターの作成に丸1日を費やそうとも、その後、100件、1000件と全国に営業をかけてくれます。
あなたが家で寝ている間にセールスレターが縦横無尽に走り回り、仕事をしてくれるわけです。
ネットを上手く活用することでレバレッジがかかり、生身の人間には到底できないことが可能になる。
これがネットマーケティングの凄さです。
対面営業のときと比べ成約率は落ちるでしょうが、接触件数が桁違いに多いため、トータルの売り上げとしては増えるはずです。
そして本人は自由に使える時間が増えるため、その分を
- 対面ではないと売りづらい商材のために使う
- 副業を始める
- 部下の育成のために使う
- 読書や通学など自己成長の時間にあてる
- 大切な人と過ごす時間にあてる
- 趣味に没頭する
- 健康維持のために使う
など、あらゆる選択肢が見えてくるわけです。
メリット5:文章は「資産」として残る

インターネット上に公開した文章は、サーバーが存在する限り、あなたの資産になります。
例えば、あなたがグラフィックデザイナーで、イラスト作成アプリの機能を解説したブログ記事を執筆したとします。
そのときは反応が芳しくなかったとしても、本人が忘れた頃に「そのブログを見た」という企業から仕事のオファーがくることは決して珍しくありません。
もしブログ記事という形に残すのではなく、新人に口頭で教えていたとすると、一対一のコミュニケーションで完結するため知識の資産化はされず、レバレッジもかかりません。
つまり、同じ時間と労力を費やすなら、その成果はその場で消費されるだけではなく、どんどんストックされた方がコスパがいいのです。

動画、イラスト、音声なども将来的にレバレッジがきく資産と言えます
「富」「成果」を生み出せるかどうかは文章力次第
ただし、資産化するといってもそのとき文章力が拙いと、期待するレバレッジはかかりません。
読んだところで全く購買意欲の湧かないセールスレターをいくら配信しても意味がないでしょう。
文章力はレバレッジがかかるときの係数に比例します。
成果が2倍にとどまるのか、100倍になるのか?
その結果、どれだけの自由な時間と選択肢が生まれるのか?
それを大きく左右するのが文章なのです。