- 「さあ書くぞ」と意気込んでも、なかなか書けない
- 書き出して少し捗っても、すぐにつかえてしまう
どうもこんにちは、キノタダシ(@GtH4uTlfJ5mFvlL)です。

書く気はあるのにしばらく経つと「あー、文章を書くって難しいなー🙄」ってなりません?
そうなってしまう主な原因は2つあります。
- 力んで頭の中がカチカチになっている
- なにも準備をしないで書き始めようとしている
とはいえ、では力み過ぎず可能な限り準備をしてから書き出せば誰でもよい文章が書けるのかというとそんなことはありません。
それらは文章そのものに対する抵抗をなくす第一歩に過ぎないからです。
そこで今回は伝わる文章を書く前に準備すべき5つのポイントを紹介します。
この記事を読めば、
- ネタはあるのに筆が進まない
- アイデアは思い浮かぶがなんだかまとまらない
- 「〇〇について書け」というテーマに対して何も思いつかない
といった悩みを解消することができます。
今回の参考文献はこちら。
高橋俊一氏著『超ベーシック すぐうまくなる書くチカラ91』です。
本書は一人ひとりが文章を書き出すことを前提に、
- 「直前の準備」
- 「書き出すときに」
- 「わかりやすくするには」
- 「もっと簡潔にするには」
- 「書き終えるときはどうするか」
といった順序で構成されています。
伝わる文章に仕上げるためのチェック項目は全91項目。
当然ながら、この記事でその全てを取り上げることは難しいため、私が一際「コレはいいかも」と思った項目のみにフォーカスし、紹介させてもらいます。
それ以外の項目に関しては、ぜひ一度本書を手に取って全ての内容をチェックしてみてくださいませ。
書く前の準備1:読み手を意識しよう

デジタルカメラの機能は日々進化している。
撮影での手ぶれを、光学的・物理的に検知してレンズ系の光軸や受光面を動かす補正機能を備え、人や動物の顔認識自動焦点機能を搭載したカメラも主流になりつつある。
言葉づかいや内容を変える
文章には読み手がいます。
自分以外の人に読んでもらうためには、読み手の気持ちに寄り添う書き方や材料を選ばなければなりません。
NG文に文法の誤りはなく、内容そのものがおかしいわけでもありません。
しかし、技術者や少なくともカメラに慣れた人向けの説明で、たまの記念程度にしかカメラを扱わない人向けの文章ではありません。
誰に読んでもらうかで書き方も変わってきます。
デジタルカメラはどんどん便利になっています。
撮影のときに手がぶれてしまっても、自動的に補正してくれます。
人や動物の顔にピントを合わせるときも、特別な操作をしなくても、カメラが勝手に合わせてくれるのが普通になってきました……
読み手を意識してサービスしよう
まず、読み手が誰かをしっかり見定めてください。
前述の例文がお年寄り向けなら
「お孫さんの写真をメールで送ったり、受け取ったりもできます」
と書き添えると効果的です。
全体に「です・ます」調で書くか、「だ・である」調にするかも、伝える内容や狙いに応じて選択します。
- 誰に読ませるのかをはっきり意識する
- 全体の雰囲気を考えながら、言葉づかいと盛り込む材料を選ぶ
- 何を最も伝えたいかを確認しておき、書くことの範囲と順番をおおよそ決める
読み手のことを考えずに突き進むひとりよがりや、

このぐらいはわかるでしょ
という思い込みが書き手と読み手の溝をつくります。
読み手を納得させるためにどうするか、書くという作業は一種のサービス業です。
読み手を意識していくうちに、文章を無理なく書き分けられるようになります。
それが「文章力」「筆力」につながります。
書く前の準備2:読み手のニーズを推し量る

- ただいまお昼の休憩をとっています。
- お昼休みをとっています。申し訳ありませんが、しばらくお待ちください。
求められる情報は何か
従業員が一人だけの店舗などで、このような張り紙を見かけます。
読んだ人はどう思うでしょうか。
客がほしいのは何時に出直したらいいのか、すなわち再開の情報です。
読み手のニーズを推し量ってあげましょう。
お昼休みをとっています。午後1時に戻ります。
読む人を見定め、相手に合った書き方も決めたら、次は読み手が何を求めているかまでを考えます。
頷いてもらうために
ビジネス文書でも趣味の領域でも、製品やイベントを巡るやりとりなどでは、こうした気づかいが特に重要です。
当社のABC構想は業界でも最先端をゆくものです。
これまでの構想より数段優れていると確信しております。
自分たちが優れていることを一方的に強調するだけでは説得力に欠けます。
当社のABC構想は、若い消費者の志向を先取りすることを心がけて、PRにSNSを活用し、ポスターにも若手のデザイナーを起用します。
新たな客層開拓を目指す御社の中期計画をサポートすることが可能です。
初期投資が少なくて済む点でも、これまでにないものです。

「どこが優れているのか」「相手のどんな役に立つのか」をきちんと押さえていますね
ビジネス・商取引に限らず、何かを一緒にやりたくて書くときは、相手が何を必要としているかを見極めます。
それで初めて頷いてもらえます。
書く前の準備3:出題をどうこなすか

たとえば、就活や入試の作文で「日本の福祉について書け」と出題されたとしましょう。

日本の福祉は……高齢者や障害のある方を……??
楽に考えを転がすつもりでも発想自体が出ないこともあります。
焦れば焦るほどアイデアは出ません。

日本の福祉……福祉と私、福祉と私の家族、福祉とお金……自分の家族のことといえば、田舎の祖父が……
出題テーマのフレーズ(この例では「日本の福祉」)の前後に別の言葉を付け足すと、新しいアイデアを引き出せます。
そこから具体的な情景や体験談へと発展させていきましょう。
「出題」に言葉を付け足してみると
就活や入試の作文で予想外のかたいテーマを出題されたとき、何も思い浮かばなければどうするか。
そういうときは、「テーマ」の前後に何か言葉を付け足してみる方法があります。
付け足す言葉、切り込む角度はたくさんあります。
頭を自由に働かせて、好きなフレーズを付け足していけば、連想が繋がります。
- 出題に何も浮かばないときは、自分自身を刺激する
- 出題に自分なりの言葉を付け足してみる
オーソドックスなのは「○○と私」としてみることですが、ほかにも「家族」「思い出」「経験」「問題」など何でも構いません。
いくつか前もって意識しておくと、試験会場などで咄嗟に使うことができます。
得意なものを中心に転がしていけば、書けそうな材料が浮かびます。
漠然としたテーマ・出題を自分の側に引き込みながら、焦点を絞っていきましょう。
書く前の準備4:設計図がモノをいう

- 出題やテーマと自分との関わりを、しっかりつかむ
- 一番言いたいことは何かを、自分の中ではっきりさせておく
- その結論と理由を伝えるのに、どのような流れでいくかを見定める
- 思いついた・集めた材料の中から要不要を見極める
規則はない、自由に書こう

テーマから思い浮かぶことはあるのに、何だかまとまらないなぁ
と悩む人が結構います。
家を建てるときに、どういう家にするかを考えないまま取りかかるようなものです。
まずは、設計図を作りましょう。
この設計図作りは、前述した「読み手の立場や考え方」・「読み手のニーズ」を意識しながら進めます。
頭の中だけで考えずに、ノートやメモ帳、試験会場なら紙の余白に書きつけるのが有効です。
文字だけでなく線や矢印を引いたり、見取り図や表にしたり、自由に書きましょう。
ときには円や四角で囲みながらつめていくと、自然に頭が働きます。
エピソードを切り捨てるな
「あなたが学んだこと」という題の作文を求められたとします。
- 学んだことといえば、広告の手法だ
- 学ぶといえば大学
- 大学といえばゼミ試験の面接
- 「君はこのゼミで何がしたい?」という質問
- 咄嗟に「それを探しにきました」と答えた
- どっと笑われたが、なぜかゼミには入れた
- 理由はわからないが、広告の面白さはわかった
- 広告業界で活躍したい
こうすれば広告と自分との関わりを中心に進める設計図ができます。
「学んだのは」「進みたいのは」とまず書きつけて、そこまでの道筋を繋げていけばOKです。
この図表で気を付けたいのは
「ゼミ試験の面接でどっと笑われた」
というエピソードです。
こういう場面は人を引きつけます。
書き手の個性を示すことに直結し、読み手の関心を高めることができます。
「くだらない」「恥をかいただけ」などと切り捨てないようにしましょう。
書く前の準備5:三段論法で書く

駅前に新しいレストランが立て続けにオープンした。(序論)
競争が激化して、最高売り上げを誇ってきたスペシャルランチやスイーツバイキングだけでは、若い客層を引きつけられない時代がきている。(本論)
うちの店は一刻も早く新メニューを開発しなければならない。(結論)
序論が長引くと
前述した「設計図」で構成を考えたら、いよいよ書き出します。
具体的に「コレを書き、次にアレを書き、こうまとめる」と再確認しながら、要らない材料は捨て、必要な材料を選びましょう。
一番コンパクトなのは、三段構成です。
討論会・ディベートの古典的な主張展開や論文に多い切り方で、古くから
「序論→本論→結論に分けて進めよう」
といわれてきました。
論理的な反面、組み立て方はややマンネリです。
数百字程度の作文の場合は、「序論」が必要かという疑問もあります。
序論が長引くと、くどい印象を与えかねず、主役・主題の登場が遅れる一因になります。
序論からの三段論法で書く場合は、この点に注意してください。
うちの店は一刻も早く新メニューを開発しなければならない。(結論)
駅前に新しいレストランが立て続けにオープンして、競争が激化しているからだ。(理由)
最高売り上げを誇ってきたスペシャルランチやスイーツバイキングだけでは、若い客層を引きつけられない時代がきている。(背景・事例)
「まず結論」がわかりやすい
散文やエッセイ、ビジネス文書では結論を先に書く方がわかりやすく、忙しい読み手を助けます。
主張からズバリと打ち出すため、インパクトも強まります。
そこで「結論→理由→背景・事例」が時代に合っていると言われ始めました。
事例を早めに出して
「結論→事例や説明→印象的なまとめ」
という構成もあります。
何にしても、結論の置き場は最初か最後が適切です。
そのうえで序論が必要な論文タイプか、結論重視の散文タイプか──文書の性格と目的に応じてスタイルを選びましょう。

迷ったら結論を先に